この苦しみが他人に分かるものか。
私は天然パーマだ。
くせっ毛、というレベルではなく
パーマである。
「えぇ~!全然いいじゃーん!」と言う人は、
天パのことを心のどこかで見下していると思う。
本当に「いい」と思っていくれている人は、絶対にそんな言い方しない。
くせっ毛、天パに悩みがあることを知っている人はそっとしておいてくれる。
もしくは、必ず自分の直毛ならではの悩みを話してくれた上で
「いいな、羨ましい」と切実にいってくれる。
私は中学・高校は特に髪の毛がコンプレックスだった。
部活もやって、活発で、友達も多い方だったと思うが
それでも、本気で学校に行きたくないと思った。
「行きたくない」とリアルに泣いて
更年期の親を困らせた。
結べる後ろ髪はともかく
どうにもならない「前髪」
30分かけて一生懸命アイロンしても、
家出て3秒でオワル。無念。
ウチはかなり貧乏で生活もギリギリだったはずなのに
これだけは「ダメ」と言わずに縮毛矯正をさせてくれた。
中学生の髪の毛に1万円もだしてくれた。
それほど大人がかわいそうと思うほどの天パだったのだろう。
本当に嫌だった。
だから「全然いいじゃーん!」などと言う人には
心の中で「何もしらないくせに」と言い返す。
口では「ありがとう、照れる!」とでも言っておこう。
いまの時代は、こういう思春期の子の悩みが
SNSとかで少しでも解決しやすくなっているといいな。と思う
いろんなモデルや芸能人を見て、探して
「この髪も人と違って良いかも」って
学校に通えたらいいな。
いまの私は、あの頃の苦しみから解放され
髪の毛にも自由にお金をかけられるようになった。
気分や天気によって髪形を変えて操れるようになった。
楽しめるようになって、悩みが強みになった。
人に羨ましがられることもある。
最高の天然のパーマである。