B型のアラサー女が考えた。

熱しやすく、冷めやすい。

母が作ってくれたワンピース


今週のお題「自慢の一着」

幼稚園の頃、母がワンピースを作ってくれた。

薄いピンク色。ちょっと厚手のコーデュロイの生地に、お花とウサギさんの柄。

スカートの裾が広がるように、ウエスト部分には切り替えもあった。
背中のファスナーは金色で、可愛らしくてちょっとお洒落なやつだった。

母は裁縫がとても上手だ。

ワンピース以外にも、通園バッグや上履き入れ、お弁当袋、体操着袋、ぜんぶ作ってくれた。
私の名前や、キティちゃんのワッペンもつけてくれた。

その影響なのか、以前まで全く興味のなかったキティちゃんを、アラサーになってまた好きになってきてしまっている。イタイ。

ちなみに、母は料理もめちゃめちゃ美味い。
大人になって外食をするようになった時、店よりも母の料理が断然美味しいことを知った。

大人になったら、料理や裁縫もできるようになると思っていたが、決してそうではないらしい。

手先の器用な母は、きっと夜なべもせずにサクッとワンピースを作ってくれたはずだ。女子力が高すぎる。

幼い私は、そんな母が作ってくれたワンピースを着るのがとても嬉しかった。

お気に入りの一着だった。

当時の自分が普段どんな服を着ていたかなんて全く記憶にない。何を着るかも全く気にしていなかった。かろうじて思い出せても、幼稚園の体操着くらいである。

でも、そのワンピースだけは覚えている。

母がそのワンピースを初めて私に見せてくれた時の事も、自分が着ている姿も、クローゼットにしまってある風景も良く覚えている。


実家にあるの昔の写真を見返すと、幼い私は可愛いワンピースやスカートをよく着ていることに気づく。おまけにフリフリのついた可愛い靴下も履いている。

母の好みだったのだろうか。

母は普段全くスカートを履かないが、私を一姫二太郎の姫として、大事に育ててくれたのだろうか。
姫にしては、とてもたくましく、メンズライクに育ってしまった気がするが。

ある日の写真の中の無邪気な私は、砂場で遊んでいるのに真っ白なワンピース。パンツ丸見えだった。Oh,姫よ。

いつの間にか、私はワンピースを着なくなっていた。

写真の私も、大きくなるにつれ兄のお下がりばかりを着ている。

最後にあのワンピースをいつ着たのかも、どうなったのかもわからない。
あんなに嬉しかったのに、興味が無くなってしまったのだろうか。

「もうこんなの着たくない」などと、母にヒドイ事を言っていませんように。

バラエティ番組的には、母が私の為に作った思い出のワンピースを、今度は私の子供に。という流れなのだろうが、全くその予定はない。誠に残念である。


最近は、親の老いを感じるようになった。
裁縫が得意な母も近いところが見えにくいようだし、最近は体調を崩してしまった。
父の背中も、気づいたらとても小さく、寂しそうにしていた。


そろそろ彼らの一姫二太郎が支える時か。

大丈夫。
姫はピンクの花柄ワンピースは着なくなってしまったけど、毎日ジーパンとスニーカーを履いて、どこにでも飛んで行けるようにしてるから。