今週のお題「こぼしたもの」
ガッシャーン!
、、、。
クラス中の時が止まった。
先生も固まった。
みんな大好きカレーを
給食当番の女子が盛大にこぼした。
こぼしたというよりもひっくり返して全滅させた。
まさに、覆水盆に返らず。
カレーは配膳台に戻らず。
給食当番の女子は目立ちたがり屋でも、控えめな子でもないフツーの子であった。
それがまた辛い。
床に散らばるカレー。
ウンコだぁー!!ギャハハ!!と
いつも通りふざける男子。
泣き出す給食当番のフツー女子。
給食当番を庇う責任感の強い女子。
苛立ちを隠しながら掃除の準備をする先生。
カオスである。
苛立ちを隠した先生の指示で
クラスは掃除組、配膳組、着席組、
そして他のクラスと他の学年からカレーを恵んでもらう組に分かれた。
先ほどのカオス状態は収まるころ、クラスは一丸となっていた。
各々任せれている任務をこなしながら、遠征中のカレー隊を信じて待つ。
カオスな状況は一変し、よくわからない高揚感と一体感が生まれる。
このような緊急事態の時、他のクラスや他の学年にまで足を運び、カレーを恵んでもらわなければいけないため、コミュニケーション能力が高く、リーダーシップ性がある子がカレー隊として活躍をする。
そして、勇者カレー隊はやりきった表情でみんなの待つ教室に帰ってくる。
勇者はこう言った。
「もらってきましたぁ!!」
なぜかクラス中からの拍手。
決して多くはないカレーライスをみんなで有難く、達成感に浸りながら食べる。
そして、帰りの会では
先生からは「トラブルがあったけど、みんなで協力して、よく頑張りましたね」というフィールドバックをもらう。
終わりよければ全てよし。
よく覚えていないが、たぶん小3の夏頃の思い出。
1日でいいから、あの頃に戻ってみたい。