B型のアラサー女。母になった。いよいよアラフォーへ。

アラサーよ、前を向け。熱しやすく冷めやすい。そんな自分も嫌いじゃない。〈28歳で失恋、30歳でアプリで出会い、31歳で同棲、32歳で結婚、34歳で出産、義実家へ里帰りを経て、育児をしているブログ。〉

妊婦は異常な状態(前編・オラに力を)

 

妊婦の心身が異常な状態だった。

そう気づいたのは、産後4ヶ月頃だった。

 

妊娠初期から産後4ヶ月まで、丸々1年間は身体が変な(異常な)状態だった。でも妊娠している時は異常だと気づかないし、産後もまだ身体がボロボロ。でもそれが普通な状態ではないことがわからなかった。

 

妊娠初期の頃のツワリは「うーん?なんか気持ち悪いかも?いや気のせいか。昼何食べだっけ?」から徐々に徐々に始まって身体の中が変わっていく。見た目は何にも変わらない。一気に臨月になったらそりゃ違いに気づくが(すぐに臨月になってしまったら身体が変化に耐えられそうにもないが)、毎日少しずつ胎児が大きくなり、身体もほんの少しずつしか変化がないので、本当は変な感じなのにそれが通常だと思ってしまう。

ツワリは気持ち悪いし、だるい。頭もいたい。眠い。何もしたくない。ツワリは血液中の色んな成分が通常よりも何百倍も多くなって気持ち悪くなるらしい。ご飯をろくに食べられず気づけば1ヶ月で5キロほど体重が落ちた。スマホの小さい画面や細かい字も見られなかった。

この頃、いったい私は1日何回トイレの便器に顔を突っ込んだだろうか。この時に使っていたトイレの芳香剤は今もトラウマで嫌いになった。

こんなオロオロな状態で毎朝毎晩の通勤電車に乗って、仕事をそれなりするのも本当にしんどかった。月に2回、妊婦健診に行くのもしんどかった。見た目は全く妊婦でない時が実は一番しんどい。知らなかった。乗り物の揺れが気持ち悪さに追い打ちをかける。座ってても気持ち悪いが立つのはもっとツライ。人生ではじめて「優先されたい。」と本気で思ったので、若輩者が申し訳ないが電車では堂々と優先席に座った。それでも混雑していることがほとんどなので、座れないことの方が多い。

さすがにこの時期は「優先席座りてぇええ。泣」と思った。世間のみなさんもお疲れなようで妊婦生活で席を譲ってもらったのは計4回だった。妊婦の時に見ず知らずの人に優しくしてもらったことはずっと忘れないし、自分も優しくありたいと思う。あと、ツワリMAXの時に居合わせた優先席で氷結を飲みながらパソコンをカタカタしていたイカしたスーツの男も私は一生忘れないと思う。

 

ようやくツワリが終わる頃、今までの気持ち悪さが嘘のように消滅した。身体が急に軽くなり快適になった。空も飛べそうだったが、お腹の中でピクンとくすぐったいような、「何か」を感じ始める。最初は「んん?気のせいか」と思ったが、少しずつ胎動だと認識しはじめると自分の一部ではない「何か」を感じるので、これもまた変な感覚になる。「何か」と連呼しているが、胎動を感じる始めの頃は本当にこんな感じだ。よく言えば神秘的、ストレートに言えば心地よくはない感触だった。

ポコン、モゾモゾと胎動をしっかり感じるようになる頃、ようやくお腹が少しずつ膨らみ始め、自分の身体のバランスが一気に変わってくる。お腹を支えようと反り腰になり、全く使ってこなかった背筋が機能し始めたようで、なぜか背中が痛くなった。家の中で立ち上がったり移動したりするのも、これまでの動作ではバランスが崩れてオットットとなり始める。

お腹が目立ち始める頃、人生一番の足のむくみを経験する。さらに臨月、産後はとんでもないことになるので、すぐに記録更新するのだがこの頃はまだそれを知らない。足がムズムズして寝られない。皮膚も繊細になるようで、なんだかお風呂でもピリピリした。今まで着ていた洋服や下着がきつくなり、からだ本体だけでなく様々なことに不便を感じ始める。

 

 

どこからみても妊婦になる頃、気分はルンルンなのに、信じられないくらい疲れやすくなった。さらに体重が増えて足が耐えられなくなってくる。かといって座っていると股関節が圧迫されて足がしびれる。むくむ。立ったところで身体が重くて腰と足がいたい。もうどうしようもない。そういえば、便も何日も出てない。尿は漏れるのに便はでない。食欲はあるのに便秘。大変だ。このまま出産したら赤ちゃんと一緒にぶち撒けることになる、、医者にも夫にもそんな姿は見られたくない。と本気で心配になり夜中に検索魔になる。他にも色んなことが急に不安になり、嫌な夢を見た。穏やかに待つしかないのに、色々なことが気になってしまう。

今思えば色々考えすぎていた。必要以上に不安になっていた。身体はもちろん、心も通常ではなかったと思う。しかし、その時はそれがわからない。

ちなみにこの子は産まれた後もしばらく昼夜逆転していた。

 

産休に入ると時間はできるが、なんだか頭がボーッとしてすぐに眠くなる。臨月は少し散歩して、家に帰ったら胎児と一緒に寝てばかりいた。10数年間、ひたすら働いてきた私にとって長期休業に入った解放感と、平日の昼に街のゆったりとした雰囲気の中で散歩して、家に帰ってお昼寝をするのは幸せだった。高揚感がハンパなかった。

疲れやすいはずなのに、夜はお腹が大きくて熟睡できなくなる。立派なスイカがお腹に入っているようで重い。胎児は昼夜逆転していて、昼は心配になるくらい動かなかったが夜中になるとボコボコ動く。本物のスイカなら動かないが、妊婦の中にいる尊いスイカは動きまくるのだ。逆子だった時は膀胱付近で思い切りオラオラと足踏みされて、私の際どいところがキューっと痛かった。そして尿が漏れた。

臨月の身体は変な熱がこもっていた。とても暑くて寝苦しかった。自分の中に爆発的なエネルギーを持った生命体がいるので、身体が熱い。火照っている。そもそも自分の中に別の生き物がいて、自分の意思とは関係なく突然動く。内臓が圧迫される。やはり普通な状態なわけがない。

妊婦が夜中に起きて明け方まで寝付けないというのはあるあるらしい。深夜のTwitterには寝れない妊婦がたくさんいた。どうやら産後も夜中に新生児のお世話をするための準備期間らしい。もちろん夫は横で爆睡だ。

お腹がつかえて靴下も履きにくかったし足の爪も切れなかった。妊娠線の予防のために早くから身体にクリームを塗りたくって、いつもより保湿されていた。まぁそんな表面上のことはこれを書くまで忘れていたが。

 

そんならトツキトウカを過ごし、出産を終えると身体はズタボロだった。出産の時の痛みや出血、身体の傷、慣れない入院生活。

さらに今まで自分が30年以上かけて大きく育ててきた魂、エネルギー、精力、生命力、なんというか元気玉のようなものを全て赤ちゃんが吸い取って、出ていってしまった。赤ちゃんも新しい世界にでて、生きていくために必死だ。

 

残された自分は抜け殻だった。まさに「命がけやん、、」と思った。オラに力をわけてくれ。

そんなズタボロの抜け殻でも、ホッとする間もなく赤ちゃんのお世話が始まる。

本当にホッとする間はなかった。

 

後編へ続く。

 

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