世の中にはとてつもなく
ラーメンを食べるのが遅い女がいる。
先日行った博多豚骨ラーメン屋さん。
金曜夜だったので、9割くらい席が埋まっている。
私はカウンターに腰掛けた。
隣には20代半ばと思われるかわいい女子二人が座っていた。
私はちょっとメニューを見て、定番の豚骨ラーメンを注文。
隣のかわいい女子たちには、一足先に豚骨ラーメンが提供されている。
ラーメンを運んできた店員は
ラーメン屋を長く営んでいそうなおっちゃんである。
うぉおお!!
美味そうだぁ。お腹空いてきたー!
ラーメンへのモチベーションが最高潮に達した。
ついに私のもとにも豚骨ラーメンが到着。
いただきまぁあす!!
うまいうまい。
今週も頑張ってよかった。
フーフーしながら食べる。ネギもきくらげもいい感じ。
机の上にある胡麻を取ろうと
隣の女子達の机の領域に手を伸ばす。
チラッと女子たちの丼が目に入った。
ぇえ!!w
とてつもなく食べるスピードが遅い。
自分の目を疑う。
笑いそうになるくらい遅い。
どうやったらそんなゆっくり食べられるんや、、。
私より7分くらい先にラーメンを食べ始めてるのに、
まだ3口くらいしか進んでないやん。
女子二人の時間は止まってたんか、、。
汁なくなるぜ、、。
と思いながらも、冷静に
他人の私(ただ隣の席に座っただけのアラサーの女)が、
他人様のラーメンを食べるスピードに対してとやかく文句を言う権利はない。
文句を言っていいのはラーメン屋のベテラン風の店員だけである。
彼女たちは私に汁なしラーメンが旨いかどうかの心配される筋合いはない。
完全に隣のアラサーババァの余計なお世話である。
ババァは正気に戻り、目の前にある自分の豚骨ラーメンに集中する。
が、
それでも異様なスピード遅さ。
女子たちのことを考えることをやめられない。
でもジロジロ隣のラーメンの減り具合をチェックするのも恥ずかしい。
自分に関係のないことで文句を「言う」のは良くないが
「考える」のは勝手である。
私は彼女たちと同じ女性なので
「わかるよ、なかなか食べられないよね。」
「麺をすするのもスープが飛び散るから嫌だよね」
擁護するような気持ちがありつつ、
二人のラーメンの減り具合が気になる。
次は、紅しょうがをとる。再度女子たちの領域に侵入。
そして、女子たちのラーメンスピードを再チェック。
遅ぇ!!!ww
期待通り!!ww
ぱっと見の量は先ほどとほぼ変わらない。
期待通りであるw
女子たちは箸で麺を6本すくい上げ、ちまちまと口に運ぶ。
ズルズルという音がかすかに聞こえる。
絶対、マックシェイク飲めねぇじゃんww
ほら、汁なくなってきてるよ、、。
汁なしラーメンじゃん、、。
べらべら喋ってないで
はよ、食べや、、。
そもそも、本当に二人ともそんなに遅いのか。
二人揃って吸引力はそんなに弱いのか。
どちらかは気を使って相手のラーメンスピードに
合わせているのではないか。
むしろ、どちらがゆっくり食べられるかを
競っているのではないか。
何度も言うが、私は他人様の食べるスピードに文句を言う筋合いはない。
彼女たちがゆっくり食べていたところで、私は全く迷惑ではない。
ただのお節介ラーメンババァである。
ババァは替え玉をしっかり楽しんだあと、レジに向かう。
立ち上がった際、女子たちのラーメン丼を最後にチラリと見る。
ラストチャンスである。
どうやら具がモリモリの「特製ラーメン」のようだ。
餃子も頼んで、ふたりでシェアして楽しんでいるようだった。
店の売上は私ひとりのお会計よりも、はるかに女子たちの方がいいだろう。
女子達は私よりも店に貢献している。
もしかすると、店員に文句を言われる可能性があるのは
お節介ババァだったのかもしれない。
ちなみに、駄菓子のらあめんババアはコロナの影響で終売したらしい。
ごちそうさまでした。